シートレールは、シートを車体に固定する部品です。

シートメーカーではなく、レールメーカーが車種ごとに作ります。

サイド止め

シートの側面にあるボルト穴で固定します。

  • 座面を低くできる
  • 純正に近い、あるいはそれより低い着座位置
  • ヘッドクリアランスを稼げる(ヘルメットを被る場合に重要)
  • シートの側面に穴があるモデルにしか使えない

底止め

シートの底面にあるボルト穴で固定します。

  • 着座位置が高くなる(レールの厚み分が座面の下に入る)
  • 対応するシートの幅が広い
  • 強度を出しやすい構造

どちらを選ぶか

優先すること 選ぶもの
着座位置を下げたい サイド止め
ヘルメットを被る サイド止め
対応シートの選択肢 底止め

視界とペダルの届き方が変わるので、 身長によっては選択肢が絞られます。

ポジション調整機構

  • スライドのみ — 前後だけ
  • リクライニング対応 — セミバケ用
  • 固定式 — スライドしない。競技用

固定式は日常使いに向きません。 他の人が運転できなくなります。

強度が最も重要

  1. シートレール(座席取付装置、調節機構、ロック機構など)は、国土交通省の「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示・別添30(座席及び座席取付装置の技術基準)」などに基づき、衝突時を想定した以下の厳しい強度試験をクリアする必要があります。

前方向・後方向の動的・静的荷重試験: 車両全体に 196 m/s²(約20G)以上の水平縦方向の加速を加えた際に、座席やシートレール、ロック機構が破損・解除されずに耐えられること。

シートベルト取付部の強度

シートレール側にシートベルトのバックルが付いている場合、ベルト引っ張り試験時の高負荷にシートレール全体が耐えられる構造であること。

別添30(座席及び座席取付装置の技術基準)

  1. 車検における「強度証明書類」の義務化平成29年(2017年)7月の審査事務規程の改定以降、社外シートおよびシートレールに対するチェックが劇的に厳格化されました。

車検を通すためには、そのシートレールが上記の保安基準を満たしていることを証明する「保安基準適合試験成績書(強度証明書類)」の提示・提出が実質必須となっています。

避けるべきこと:

  • 車種専用でない汎用レールを加工して使う
  • 出所の分からない中古品
  • ボルトの流用(強度区分の合わないボルトは伸びます)

事故のとき、シートが外れればシートベルトも機能しません。 ここは費用を惜しむ場所ではありません。

シート本体の選び方は フルバケとセミバケの違いを参照。